共同制作企画 第4弾

Base Kit

--- BOSICA KIT ---
FERRARI 126C2 1982



あのV.Bosica氏のFerrari 126C2キットです。ここをご覧の方々には説明は不要なほど有名なキットですね。
しかも、これを今から30年程前にお一人で作られたというのだから驚きです。以前、知人から聞いた話なのですが、その知人がBosica邸に訪れた際、彼の工房から大きな声で話し声が聞こえてきたそうです。家族の方に他に来客がいるのかと尋ねたところ、「気にしないで、いつもの独り言だから」と言われたそうです。やはり、かなりのバイタリティ溢れるお方のようですね(笑

キットは『精巧な模型が労せず作れる』という意図で構成されているようで、Bosica氏ご自身が作った半完成パーツが多く入っています。実はこれが結構な曲者で、作り手が手を加えたモデルに仕上げようとすると、逆に大きな障害になってしまうのです。
それらを作り直そうとすると、今度はとんでもない労力が必要になります。
ある意味、このキットはBosica氏の小さな分身だと私は考えます。彼が創造した他のキットも同じです。
なので、共同制作第一弾で制作した356Aと同様に可能な限り、Bosicaキットらしさを残すようにしたいと思います。
その中で自分らしさのモデルカーを表現できたらと思っております。






このキットのサイドスリットはメタルの一体鋳造ですが、
再販されたキットには、スリットがエッチングパーツのものもあるのだとか。

そして、大きな問題点のアンダーパネル。一番下はRacing43製126C2のアンダーパネルです。違いは一目瞭然だと思います。
この状態ではボシカC2の方はベンチュリー効果が期待できませんね(笑
とはいえ、ここを修正するには、エンジン部分やサスペンションとの兼ね合いがあるので、かなり苦労しそうです・・・。

奥にあるパーツはミッションとリアのロワアームです。どちらもエッチングパーツが一体鋳造されています。 既に歪んでしまっているロワアームは使えそうにありません。。。




モノコックには、ロワアームが差し込まれて鋳造されています。
さすがにこのパーツ構成には無理があるようで、アームは曲がってしまいフニャフニャと波を打っています(^^;

上側のモノコックパーツにはアッパーアームのブラケット部分が一体鋳造のディティールになっています。この辺りも全て削り落とし、新造が不可欠になります。 また、モノコック後部にはラジエター用ユニオンが一体のディティールになっているので、これも削除して新造です。




ラジエター、インタークーラー、ミッション関連のパーツです。
ここにも半完成パーツがあります。
インタークーラー関連パーツは遮熱板とメタル部分が一体鋳造され、ミッションパーツにはリア・アッパーアームのブラケットが一体鋳造されています。

インタークーラーは分離して製作しますが、遮熱版とアッパーアームプラケットは分離させることが出来ないので、このまま修正して使用いたします。その他のメタルパーツもまた、修正もしくは新造いたします。




こちらがミッション部分の半完成パーツのアップです。
リアのアップライトとブレーキダクトが一体ものですから、仕様によっては、分離させて新造するなどの一考の必要有りです。

そして何よりも問題なのは、ドライブシャフトが虫ピンで既にアップライトに一体鋳造されていることと、アッパーアームも一体ディティールだということです。 これでは高さが必然的に決められてしまい、調整が出来ませんので分離して新造します。




フロントアッパーアームです。
こちらはサスペンションと一体モールドです。
もちろんサスは変更ですね。




コクピット内のパーツです。
修正すれば使えそうなのは、シートだけな感じです。。。




前後ウイングパーツとミラー、ノーズコーン、サスアームカバー等のボディパーツです。
ウイング形状を見ると、サンマリノとロングビーチの2バージョンが作れるようですが、スポンサーデカールの有無により、募集の基準はイタリアGP(サンマリノ)に設定いたしますので、
ご理解の程宜しくお願いいたします。




サイドスカートは全て一体ものになっているので、これは分離したものを新造しないとなりませんね。
シールドの青色も強いので、こちらも変更です。
ロールバーも半完成タイプになっていますが、こちらも新造します。




残念ながら、ロングビーチ仕様のデカールは付いて無いようです。 デカールに関しましては、個体に問題が無い限りキットのものを使用いたします。 サイドスカート部分はスポンサーロゴ部のみ使用いたします。




ホイールとタイヤです。
ホイールの作りなどは、さすが!と言えるくらいの出来ですね。
なかなかリアルですが、タイヤ付けたら分からなくなっちゃいますよね(^^; タイヤ自体のゴム質は悪くなさそうなのですが、は何故かサイドウォール部分までサンディングがされているので変更いたします。
タイヤに関しましては、ホイールの形状からABS樹脂で制作するのは難易度が高い為、フジヤのF1タイヤを流用する予定でおります。





主なキットパーツの概略説明はこのような感じになります。これらを修正や新造するだけでかなりの時間と労力が必要になります。
その他も実車写真資料などから情報を得て、各所ディティールアップ致します。この辺の作業は通常の工作内容と同じです。

私はこのボシカのC2を制作するのは、今回が最初になります。そしてこれが最後になるでしょう。
そう、これが私にとって最初で最後の126C2の制作になります。
この制作にあたって、プロアマ問わず制作経験者の声を聞いてみました。誰に聞いてもクオリティの高いものに仕上げるのは
かなり難しいとの事でした。そのことはキットや完成品を見れば理解できます。
実際に労力やコスト面を考えても 単独でご依頼を受けることはまず考えられませんでしたし、今後も考えていません。
とはいえ、43scaleモデル業界で故A.M.Ruf氏と並び称されるV.Bosica氏のキットです。
しかもV.Bosicaの名を世に知らしめ、43scaleキットの可能性を広げたキット。それがこのFerrari126C2です。
その功績をどうにか自分なりに称えたいと考えて出た結論が今回の共同制作企画です。
要するに、今回のこの共同制作企画は、43scaleモデルカーの世界をここまで発展させたV.Bosica氏に対する
リスペクトによるものだとお考えください。
従ってコストも出来るだけ抑えたつもりです。(普通の概念では信じがたい値ですが・・・)
ですが、これでもギリギリの制作になると思っていますので、良い意味でのボシカ臭さを残しつつ
如何に効率良くディティールアップするかが制作の鍵になりそうです。

尚、原則としてご依頼にはこの126C2キットを所有されていることが条件になりますが
キット未所有で企画参加をご希望の方は、一度ご相談ください。

どうぞご検討の程、宜しくお願いいたします。





<<共同制作依頼TOP